はなうたレビュー30: 青谷明日香演奏会~青と緑に囲まれて~

この記事は青谷明日香演奏会〜青と緑に囲まれて〜のレビューです。

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青谷さんのライブを訪れるのはもう6回目になるだろうか。初めてその歌声を聴いてからというもの、ライブに訪れるたびに虜になってゆく。

今回の会場はココラボラトリー。見知った顔も多く、挨拶を交わしたりしながら、開演を待った。

振る舞い酒を一口。お腹に明かりが灯ったように温かくなる。

大好きなココラボで、大好きな秋田の日本酒を飲みながら、大好きな青谷さんの演奏を聴くのだ。最高の時間になるに決まっている(すでにご機嫌)。

客席は青谷さんたちを360度囲むように(近距離で)置かれていて、私はというと、青谷さんが来る左斜め後ろに座った。我ながら良い席に座ったと思う。演奏が始まると、青谷さんのピアノの、その向かいに座るまーとさんの叩きものの手さばきがよく見えた。

さて、ライブは初っぱなからの「うつくしいふるさと」。青谷さんと同じ秋田出身の私にとって、特別な曲だ。

秋田の四季の中で過ごした青春を思い出すような歌詞と、力強くて穏やかなメロディー。

気がつくと涙が。この曲に関してはいつもそうだ。勝手に自分の記憶を重ねては、頭にふるさとでの様々な景色が浮かび、懐かしくて愛おしい気持ちが溢れて堪えられない。

改めて挨拶をする青谷さん、「囲まれるとはずかしいね。姿勢を正さなきゃ。うなじの脱毛をしっかりしておけばよかった」なんて言うので、吹き出してしまう。

今だけ、日常の小さな嫌なことは涙と一緒に流して、心配事は笑い飛ばしてしまおう。今だけ。

“誰もが幸せになるために生まれてきた”

こんな言葉もきれいごとや嫌みでなく、スッと心に入って来てジーンと沁みこんで頷けるのは、なぜだろう。すべての理由や難しい文脈は、透明で強い意思のある歌声に溶けているからかもしれない。

まーとさんが様々な楽器を駆使して奏でる音は、目を閉じて聴くともっと気持ちが良かった。メロディーと言葉の響きが一体となって、自然に情景が浮かんできては、風が吹くように切り替わってゆく。なんだか幼い気持ちで絵本をめくっているような感覚と似ている、と後から思った。

コロリダスの英心さんも加わり三角形になって演奏したり、

女性役まーとさんに男性役青谷さんで「大気圏で押し問答」したり、

「あんべいいな」をみんなで大合唱したり。

まあるい空間の中、みんなの笑顔の時間がどんどん濃密になっていく。しかしあっという間にライブは終盤に。

アンコールではお花の輪っかを頭に付けた青谷さんが登場、「サイフの中にはもう40円」で最高に陽気な気分で〆。

本当にあっという間だったけれど、こんな風に小さい箱の中で、温かくて楽しい時間を共有するのはやっぱりいいな。今思い出してもにっこりしてしまう。あ~楽しかった。

またこの感覚を求めて、何度でも訪れてしまうんだろうなあ。

この記事を書いたひと

あっつん