はなうたレビュー10:前野健太LIVE!

この記事は前野健太LIVE!のレビューです。

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学生時代から度々映画を観に出かけているシネマパレがライブ会場として行われるということが新鮮で前野健太さんのライブに行くことにしました。

開演前にぼーっとジュースを飲んでいたら、仕事のことで電話が入り、悶々とした気分のまま前野さんのライブが始まってしまいました。
アコギ1本で歌う時間とトークの時間が半々くらいで、ライブ前に寄った定食屋のこと、川島雄三の映画が好きなこと、中原中也と中原昌也は間違えやすい等々、軽妙な話しで会場を笑い声で沸かしたり、秋田ということで友川カズキの曲も披露されました。
前野さんがエリオットスミスや時々ボブディランを想起させる声で歌う、詞のあちこちに見える情けなさやさびしさといった感情に身を委ね演奏が進んでいくうちに仕事のことなど忘れて前野さんの存在に魅せられてしまっていました。

アンコールではお客さんからのリクエストに多数答え2時間半ほどでライブが終了しました。個人的に聴きたかった曲の「マン・ション」も歌われたので嬉しかったです。

この日のライブから数週間たった今も素敵な思い出として残っているのは前野さんの存在だけではなく、今回秋田でのライブを企画した方の存在があります。前野さんもライブの中盤で企画者の方を紹介していましたが、秋田でのライブを実現させたいとの強い思いを感じとることができ、面識はありませんが自分のことの様に感動してしまいました。企画者の方が前野さんに勝手に作ったというTシャツを買おうか迷い、結局買わないで帰ったのが唯一の心残りです。買っておけば、この日の気持ちをより忘れないでおけたのではないかとか考えてしまいます。

この記事を書いたひと

小林