はなうたレビュー9:荒武裕一郎&石川隆一+梶原まり子

この記事は荒武裕一郎&石川隆一+梶原まり子のレビューです。

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素晴らしいヴォーカリストの歌声は歌い始めの一音で人を魅きつける威力がある。

梶原まり子はまさにその歌声、そして歌心の持ち主だった。

地方にいるとライブで聴けるジャズヴォーカリストは売出し中の若い女性ヴォーカリストか大御所かに大体限られていて、自分のように偏屈なジャズファンには何か少々物足りないなと感じるステージが殆どだ。

しかしながらこの日のステージは決して多いとはいえないお客さんの前でも、全身全霊を込めて向かってくる荒武裕一郎のピアノと石川隆一のベースに、そして梶原まり子の説得力の塊のような歌声に、久しぶりに心も体も揺さぶられたのだった。あんなに説得力のある「スウィングしなけりゃ~」は今までに聞いたことがない。

ああいうヴォーカリストが今日本にいるというのは本当に財産である。今度学生ビッグバンドと共演するとのことだが、若いミュージシャンたちが彼女を引っ張り出してジャズの核となるようなものを感じ取るというのは素晴らしいことだ。秋田での再演を熱望する。この拙い感想が次へ繋がることを願って。

久しぶりに前向きなジャズの話をして少々飲みすぎてしまったようだ。