この記事は3夜連続コンサート BONANZAのレビューです。
秋田市主催の無料イベントにJAZZユニット”BONANZA”が招かれる、というので、7月三連休の最終日夕方、会場に駆け付けた。
場所は秋田駅に隣接するALVE(アルヴェ)一階、既に複数のギャラリーが陣取っていた。
飲食物を持ち込み気兼ね無くリラックスして楽しめる、
こういうLIVEイベントが好きだ。
向こうのテーブルにはご婦人方が、親元離れた大学生にクール宅急便で惣菜を送るようなタッパーにオードブルを詰め込んで、缶ビールを楽しんでいる。
当日のイベント司会を務めたジェイ カフェ/J’s cafeのマスター、伊藤ジュンペイ氏の後ろに席に求めた。
19時開始前となると、前座のステージで僕をDEEPに楽しませてくれたベリーダンサーのお姐さま方が、艶やかな衣装から着替えて僕の後席に座り、ビール片手に僕のテンションも若干斜め方向に上がり始める。
秋田市で”BONANZA”のLIVEを観るのは、ジェイ カフェさんでの前回に続きこれが2回目。
基本トランペット、ギター、ベース、ドラムの4人でのユニットだが、今回はトランペットを除くギタートリオとのアナウンス、前回とは違う表情のステージとなりそう、と楽しみにしていた。なお前回LIVEとはドラムが変更の様子。
パットメセニーの影響を思わせるギターと、ジャコフォロワー(と言っていいですよね)のベースとくれば、自然とパットメセニーのECM1作目”Bright size life”のサウンドが頭に浮かぶ。
そして今回のステージ、良い意味でその予想を遠回りしない。
日本人的なWETな感傷があまり無い、でもパットメセニーのアメリカ探し的な音風景とも違った、彼ら独特のサウンドだ。乾いていて、でも所々POPで親しみやすくもあり、4ビート曲も交えながら約1時間のステージが進行していく。
全体のサウンドを大事にしながら、各プレイヤーの見せ場も多く楽しめた。
前席のジュンペイ氏も「今回のドラムも良いよなぁ!」此方を振り返りすっかりご満悦。
これから数年でますます深みが出るだろう、20代前半のドラムの弾けるようなPLAYに、僕もニッコリと微笑み返す。
一方僕のお目当てと言えば、フレットレス・ベース奏者の織原良次さん。ジャズのフィールドだけではなく畠山美由紀さんや、アン・サリーさんなど素晴らしいアーティストたちとの共演でも知られている。自身のソロプロジェクトでも様々な試みをしている注目のベーシストである。
自分の中で1度ステージを見れば後はいいや、となりがちな演奏者が多いのだが、次のLIVEも観てみたい、と思わせられる演奏者だった。
そして期待は今回も裏切られなかった。
2本のBEERを空けてほろ酔い気味だったが、演奏自体は耳ダンボでしっかり聴き込んでいたので、LIVEからすっかり日が過ぎた今でも、脳裏にサウンドが聴こえてくる。
持ち帰った、頭の中の「音のおみやげ」がすっかり無くなる前に、また”BONANZA”のLIVEを観たいな。そう思わせられるハッピーなLIVEだった。